2020.06.17

肺炎球菌ワクチンを接種しましょう

 成人の病気では数少ないワクチンのひとつに肺炎球菌ワクチンがあります。

 横手市ではこのワクチンを接種するにあたり、3000円が助成されます(2020年6月17日現在)。なぜ、そこまでしてワクチン接種を促すのでしょうか?

 65歳を過ぎると、肺炎を患う危険性が高まるとされています。特に、脳梗塞や糖尿病、慢性心臓病、慢性肺疾患(肺気腫、気管支喘息)などの持病をお持ちの方は、その危険性が更に上昇します。

 肺炎球菌は、成人が日常で患う肺炎(市中肺炎といいます)の中で最多の原因菌であり、 毎年冬季に流行するインフルエンザにかかると、肺炎球菌にもかかりやすくなることが知られています。このような理由で65歳を過ぎたら肺炎球菌ワクチンを接種することがとても大切とされています。

 ところで、このコロナ禍で医療機関への受診を躊躇し、小児の定期予防接種を回避する親御さんもいると耳にしますが、厚生労働省(1,2)や日本小児科学会(3)は、コロナ禍においても予防接種を回避することのデメリットが大きいと考えられ、可能な限り予定通りに実施すべきであると提言しています。

 成人も然りです。肺炎球菌ワクチンの対象は、65歳、70歳、75歳・・・と5歳刻みとなっており、対象者の方には市より通知されます。接種を躊躇せず当クリニックへご相談ください。

 感染予防を万全にして、このコロナ騒ぎを乗り切りましょう。ただし、肺炎球菌ワクチンに新型コロナウイルス感染症の予防効果は認められておりませんので、誤解のないようにしてください。

参考文献

  1. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11592.html
  2. https://www.mhlw.go.jp/content/000612054.pdf
  3. http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20200513_corona_q_a.pdf